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「お兄…ちゃん?」
「今動いたよね?餡先生!」
「え?」
〈光の身体に目をやる餡〉
「治療するから、皆んなは部屋を出て!」
〈部屋を出る村人達〉
「ほら、満も七都も、出た出た」
「満、大丈夫だよ。餡先生腕だけは確かだから」
「「だけ」は余計でしょう?ほら出てて」
〈七都は満を連れて部屋を出る〉
「えっ?」
〈治療をしようと餡が振り返ると、光の身体が金色の光に包まれていた〉
「貴方…確かさっき、光の神って言ったわよね。神だが何だか知らないけど、亡くなった人の身体を乗っ取るなんて、どういうつもり?」
「すまぬ…うっ…」
「あっ、まだ動いちゃダメ」
〈そう言って光の身体を寝かせる餡〉
「不思議…傷が癒えて行く。これが貴方の力なの?でも何の為に?」
「私に出来るだろうか(この世界を…救う事が)」
「何の事情が有るか知らないけど、用が済んだら帰るんでしよう?死んだはずの兄が生き返って喜んでる満ちゃんはどうなるのよ?」
「事実を話さねばなるまいな」
「それはちょっと待って。私は普通の人に見えない物が見えるけど、見えない人には理解出来ない事も有るでしょう?」
「その人になりきるしか無いニャ」
「猫魔」
「光の神、置いて行くなんてひどいニャ」
「猫まんま?」
「オバサン、猫まんまじゃないニャ。猫魔ニャ」
「おば、おばさん?ちょっと化け猫さん。おばさんは失礼でしょう?」
「化け猫じゃないニャ。妖魔ニャ」
「おんなじじゃない」
「言っとくけど、俺は良い妖魔ニャ。光の神様のペットなのニャ」
「ペットにした覚えは無いが」
「細かい事は気にしニャい、気にしニャい」
「私も、猫まんまの言う通り、なりきるしか無いと思うわ」
「そうニャろ?中々話しがわかるニャ。でも言っとくけど俺は猫魔ニャ。猫まんまじゃないニャって、聞いてニャいし」
「猫魔でも猫まんまでも、どっちだって良いじゃない」
「光の天使も居たニョか?」
「猫魔ちゃーん。猫まんま食べる~?」
「食べるニャ!」
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