第1章 えーーーっ?神様が引退?!

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【ハポネの港】 「船に乗るのか?」 「本当に何も憶えて無いのね」 「すまぬ」 「もう!調子狂っちゃうな。いつもならそこは「うるせえな」って言う所だよ」 「ここから船で本土のブリの港に行くのよ」 「ブリ?美味そうな名前ニャ」 「何か言った?」 「いや、何も」 「も、もう我慢出来ないニャ。魚の匂いニャ」 「何?物の怪?」 「まあ、可愛い猫ちゃん」 「どこが可愛いのよ、物の怪よ、物の怪」 「俺は妖魔の猫魔ニャ。光の神じゃニャい、光のペットなのニャ」 「お兄ちゃんが猫を飼ってたなんて知らなかったわ」 「もしもし、満?猫じゃなくて妖魔だから」 「猫魔ちゃん。仲良くしましょうね」 「はいニャ」 「聞いて無いし。まあ、悪い物の怪じゃなさそうだし良いか」 【ブリの港】 「着いた~」 「ちょっと、化け猫が居ないわよ」 「あそこにおる」 「あ、本当。もうマルシェに行ってる」 【ブリの町のマルシェ】 「美味そうな物がたくさん有るニャ」 「何だお前は?化け猫か?」 「俺様は化け猫じゃないニャ」 「怪しい、怪し過ぎる。近頃は物の怪が出るからね」 「だから物の怪じゃないニャ」 「あは、あはは、すみません。その妖魔、この人のペットなんです」 「何の騒ぎだい?おや、紫月さん家の満ちゃんじゃないか」 「あ、おばさん。今日は野菜たくさん収穫出来たから持って来たの」 「その猫放しておやりよ。この子達が連れてるんだ。悪い物の怪じゃないよ。私が保証する」 「まあ、あんたがそう言うなら信じるよ」 「さあこっちへおいで」 〈マルシェの八百屋で荷物を下ろす満達〉 「猫ちゃん、お腹空いてたんだろ?お食べ」 「貰って良いのかニャ?」 「遠慮しないでお食べよ。うちは八百屋だからさ、魚じゃなくて悪いけど美味しいよ」 「ありがとニャ。頂きます。美味美味美味いニャ」 「美味しいかい、そりゃ良かった。ささ、あんた達もお食べ」
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