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日曜日、慎吾の家の片づけのために集まったのは雄二をはじめ教頭の一心、綾香、同じ高校の教師である長谷川彰浩、三橋輝也の5人だ。
「じゃあ、それぞれ分担して片付けましょう。私は寝室を片付けますので教頭先生はリビング、斎藤先生はキッチン、長谷川先生は水回り、三橋先生は納戸をお願いします」
何度か部屋を訪れたことがあった雄二がその場を仕切りながら、慎吾の部屋を片付けていく。
「前田先生、オレのところ終わったのでこっち手伝いますね」
彰浩が声をかけてきた。
「ああ、それじゃあその机のノートとか書類を頼めるか」
雄二はクローゼットの衣類を段ボールに詰め込みながら、そういえばこんなジャージを着ていたな、などと思いめぐらしていた。
「なあ前田先生」
「長谷川先生、何かありましたか?」
「山本先生って、結構マメな性格だったんだな。ほら、ちゃんと日記をつけてるぞ」
慎吾から一度も日記をつけていると聞いたことがなかった雄二は、自分の作業の手を休めて彰浩が持っているノートに目をやった。
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