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昔の音大は女子ばっかりだった。
でも私たちは結構モテた。
『音大生』というのがステイタスで、
ブランド好きの男には自慢のアクセサリーだった。
実際のところ
バブル期の音大生はかなりきらびやかだった。
まるで校則のようにヴィトンを持って
ディオールのネオンのようなルージュをひいて
車で登校するコも多かった。
それでも育ちの良い芸術家たちに悪いコは少ない。
私はここで沢山の友人とめぐり逢った。
一生の宝物だと思っている。
そう、私が両親に感謝していることといえば
音大に附属の中学から入学させてくれたこと。
私は十年を友人たちと毎日毎日
ヴァイオリンやピアノを弾いて
歌って
笑ったり泣いたりして過ごしたのだ。
あの頃の私は
まさか自分がこんなふうな人生を歩むとは
想像もしてなかった。
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