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「ねぇ、この本読んだんだよね?」
「読んだよ」
「じゃあ、分かるじゃない。僕が文乃さんを誘う場所は、僕が『彼女』と一緒に出掛けたところなんだから。宜しくね。文乃さん」
優人が手を差し出したから、文乃は戸惑いながらもそっと手を伸ばす。
優人は伸びてきた文乃の手をすぐに掴むと軽くブンブンと振った。
「さあ、行こう!」
優人が手を握ったまま立ち上がったから、文乃の腕は引っ張り上げられた。
つられて腰もソファから離れる。
文乃はそのまま優人に連れて行かれるように、大学の図書館から外に出た。
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