01.

24/24
375人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
「ねぇ、この本読んだんだよね?」 「読んだよ」 「じゃあ、分かるじゃない。僕が文乃さんを誘う場所は、僕が『彼女』と一緒に出掛けたところなんだから。宜しくね。文乃さん」 優人が手を差し出したから、文乃は戸惑いながらもそっと手を伸ばす。 優人は伸びてきた文乃の手をすぐに掴むと軽くブンブンと振った。 「さあ、行こう!」 優人が手を握ったまま立ち上がったから、文乃の腕は引っ張り上げられた。 つられて腰もソファから離れる。 文乃はそのまま優人に連れて行かれるように、大学の図書館から外に出た。  
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!