02.

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「じゃあ、なんで」 「文乃が中にいるだろうって思って……」 「私?」 「文乃にまた会いたかったから……」 もう…。なんでそんなこというのよ…。 「なによ、それ。私は『彼女』さんじゃないのに…」 口はそうやって突っぱねたくせに、心はもう嬉しくて仕方なくなっていた。 「そうだよね。でも、そう思ったら止められなくてさ」優人が微笑む。 「文乃さえ良かったら、昨日の続き、また付き合ってくれる?」と文乃の顔を覗き込んだ。 自然と頬が緩んでしまう。その顔を隠したくて、文乃は優人から視線を外し、図書館の入口の方を見た。 「…いいけど?でも自宅はまだダメだからね?」 そう言ったのは、ただ軽い女だと思われたくなかったからだ。だって昨晩、何度も拒否したことを後悔していたのだから。 「うん。それでもいいよ!文乃に会えれば、それだけで!」 優人が嬉しそうな声を出し、文乃の手をするりと取る。 「これからは文乃が僕を図書館に入れてね?」 優人は文乃の手を引く。
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