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「ちょっと…。優人はこの図書館では弟になったんだから、この手は変でしょ?」
嫌じゃないくせに、恥ずかしくて、また口はそんなことを言った。
「あ、そっか。失敗した。恋人って言えば良かった」
「こ、恋人って…」
2人はワイワイ言い合いながら一緒に図書館の中へと入ったから、図書館のスタッフに一瞥された。
文乃は優人の脇腹を突き、小さく「もう、優人のせいよ?」と囁く。
優人は「僕はこれで顔パスになったかなぁ?」と笑った。
それから毎日、優人は文乃が大学に来るのを図書館の近くで待っていて、2人は連れだって図書館の中に入るようになっていた。
そのまま図書館で本を読んだり、カフェに足を運んだりすることもあった。
文乃にとっての夏休みの読書は優人に出逢って数日の間に、優人が隣に居ることが普通になっていた。
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