01.

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その日は夏休みの日曜日だというのに、大学構内はとても賑わっていた。 同じ柄のTシャツを着た大学生達があちらこちらに立ち並び、プラカードを見せたり、ビラを渡したりしている。 打楽器や管楽器によるマーチングソングが遠くの方から聞こえてくる。 文乃はその音がする方へと躊躇いながらもゆっくり足を進めた。 この大学の中心でもある中央広場までたどり着けば、人だかりが出来ていた。 この時期の外気は日光がチリチリと照りつけてただでさえ暑いというのに、その広場の周囲は更に熱気を帯びていた。 長袖学ラン姿の男子大学生と煌びやかなボンボンを持ったチアリーダーの女子大学生たちが吹奏楽のマーチングソングに合わせて大学名を連呼しながら、手を振り上げている。 文乃はその集団を横目に見ながら、逃げるように広場の奥にある講堂の中へと入った。 だけど講堂の中も人がどっと群がっていた。 思わず後ずさる。
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