桜色の春

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今までけいちゃんとえっちする時って、いけないことしてる後ろ暗さがあった。 この関係がバレたらどうなっちゃうんだろう。身体は快感に溺れていっても、心は何処か冷静で、罪の意識から逃れられなかった。 でも、今は何の制約もなくって。 「や、あ…っ、まって…っ。けいちゃん…っ、」 けいちゃんの与える刺激に反応し過ぎる身体と心。 指先で弄られて、あたしの入り口にけいちゃんのものをあてがわれて、あたしのあそこはひくひくしてる。 「あ…けいちゃんの、もっと奥…っ」 けいちゃんのコートの上で、腰を浮かしながら、あたしはけいちゃんの背中のシャツの生地を握りしめた。 「千帆、今日すごいエッチだね」 からかうように言いながら、けいちゃんは物欲しそうなあたしの腰を抱きかかえた。 「だ、ってけいちゃん…っ、あぁぁぁっ」 みしみしとあたしの中にけいちゃんが入ってきただけで、あたしは…。 「千帆、可愛い。大好きだよ」 ぐったりしたあたしと対照的に、けいちゃんは余裕の顔で言う。い いつの間にか汗ばんでた額に貼り付いた前髪を、けいちゃんはくしゃっと撫で上げて。 「背中、痛いでしょ? おいで」 あたしの背中に腕を回して、抱き起こす。 「あ…」 けいちゃんの太腿に乗せられて、下から突き上げられた。 キスされながら、胸を摘まれて、繋がったまま腰を揺さぶられると、また快感の波が押し寄せてきた。 「千帆の中、熱くてどろどろ」 「けいちゃんのも熱いよ…も、ダメ…っ」 あたしがイッちゃうと、けいちゃんも慌てて、自分のを抜き取った。 「千帆、締め付け過ぎ。俺、今日ゴムつけてないんだよ」 「大丈夫なの?」 「…千帆の中には出してないけど」 けいちゃんは明言を避けて、情事の後の惨憺たる有り様を見て呟いた。 「ゴムに限らず、俺ら暴走し過ぎだろ…」 あたしの下にあったけいちゃんのコートはしわくちゃで、中央に染みが出来てた。お互いのカッコもひどくって、下半身は全部脱いじゃったけいちゃんと、胸だけ丸出しのあたし。 「こんなカッコ、クラスのみんなに見せられないね」 「千帆にしか見せないっての。これからは千帆だけの『けいちゃん』だよ?」 余韻を味わうキスは1回だけ。大きなくしゃみをひとつして、けいちゃんは「さむっ」っと身震いする。 「着替えて、飯食いに行こ? 千帆」
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