日常だ

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時刻は午前6時50分 場所は俺の家、平屋の和室 部屋の中央にはちゃぶ台があり 俺は朝飯の準備に 取り掛かって居た バンバン 窓の方からガラスを叩く 音が聞こえた (・・・来たか) 外の様子を見ると一匹の 猫が窓ガラスを叩いていた そう、こいつが俺の シシャモを狙って居る野良猫 まず状況を整理しよう 俺は室内で朝飯の準備をしており シシャモの用意もして有る 対して敵は窓の向こう、 家の外に居る 窓には当然ながら 鍵が繋かっている 猫の牙が俺のシシャモに 届く訳が無く この戦い、既に結果は 目に見えている だが、俺はあえてここで 恐るべき一手を打つ カチャ・・・ガラガラ・・・ 鍵を外し、窓を開けた 何故!? ・・・と皆が思うだろう 当初は俺も窓を閉めて 猫の侵入を防げば良いと 考えていた しかし・・・ 『怖いのか? 負けるのが?』 そう言わんばかりの目で 窓の外に居る猫はほくそ笑んだ それを目の当たりにした時、 自分の中で何かが叫んだ 『逃げちゃダメだ』 野良猫にシシャモを取られ、 その恐怖から逃れる為に 敵を閉め出し解決する それが本当に 正しい解決策なのか? 自問自答の末、 俺は戦う覚悟を決めた 戦い、勝って、 勝利の美酒(シシャモ)を食らう これが男の生き様だ
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