日常だ

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さて、猫の侵入経路は 開かれた訳だが、 猫の前には俺と言う門番が居る 窓ほどの強固な守りで無いにせよ 人間と言う名の兵器は 野良猫にとってそれだけで脅威だ さぁ、この状況下を 前にして猫はどうするか? ひょい 猫は軽やかな動きで敷居を跨ぐと 俺の足元を通り過ぎる 悠々と歩くその様からは 人間と言う名の兵器に対する 恐れは微塵も感じない 猫は一歩ずつ足を進め ちゃぶ台に飛び乗ると 静かに腰を降ろす ただ真っ直ぐに窓の 前に立つ俺を見つめて居る (・・・見事だ猫よ) 俺は心の中でそう呟くと 窓を閉めて鍵をかける 俺達の戦いを部外者に 邪魔される訳には行かない 猫もそれを分かっているのか 微動だにしない 俺はリモコンでテレビの 電源をつけて、 そっと猫の横を通り過ぎ 台所へ向かう ご飯、サラダ、みそ汁、 そして・・・シシャモ 順番にちゃぶ台へ運ぶ 猫の真向かいに座布団を敷いて 腰を降ろした 準備は出来た、後は時を待つだけ しかし、ここで俺は 一つのミスに気づく (箸が無い!?) 慌てて台所に向かい、 棚から箸を取り出す さて、カンの鋭い人なら もうお気づきだろう 俺がとある愚行に走ったと・・・ そう、俺は猫(敵)の前に シシャモを置いたまま 箸を取りに席を立ったのだ 愚か、愚かとしか言いようが無い 終わった、誰もがそう思うだろう しかし、俺は大声でこう叫ぼう 否、愚かなのは貴様らだ!! 俺がちゃぶ台の前に戻った時 シシャモは傷一つ付いて無かった 何故? 答えは簡単な話だ まだ戦いのゴングは鳴っていない
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