17.貫いた嘘と真実①

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「…できなくなったんだよ」 フッと微笑むと、 「どうして…」 健はか細い声で尋ねた。 「……」 「…だってお前、あんなに…。 あんなに…幸せそうに……」 健は言葉を詰まらせながらそう言うと、ハッと何かを思い出したかのように声を低くした。 「まさか、俺が最後の電話で言った言葉を…」 「違う。最後は俺の意思で別れた。 お前が言ったことは関係ない」 すぐに否定した。 健ならそう言うと思った。 優しい奴だし、記憶力もいいから自分が後押ししたと気に病んで欲しくなかった。 それに健のせいでは絶対にない。 健に話す前に、俺は別れるという決断を、 すでにしていたのだから。
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