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感動の再会なはずなのに、健は全然嬉しそうな顔を見せず、むしろ思い詰めた様子をしているせいで、ずっと眉が下がりっぱなしだ。
きっと、彼女と別れたことがいまだに信じられないのだろう。
彼女と別れて三年半が経った今、俺はずっとモノクロの世界を生きていた。
色のない世界は全てが真っ暗に見えた。
あの時、別れの選択が正しかったのか、正しくなかったのかなんて、それは今もわからない。
ふと、小窓から外の景色へ視線を向ける。
そこから見える雲一つない空は眩しくて、怒りのような激しい太陽光は思わず目を瞑るほどだ。
透き通るような青みを帯びた空を見ながら、
俺は彼女と付き合い始めた頃を思い出していた─────。
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