17.貫いた嘘と真実①

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嫉妬はもちろん、執着も、好きだという感情も全部、経験したことがなかったし、 恋人に自分から寄り添うとか、恋人と喧嘩するとか、そういうこともしたことがなかった。 長い付き合いができたのは、特に何も問題を起こすことなく付き合ってきたから。 俺が相手に気持ちを預けたことがなかったんだから、当然なことだと思う。 今思えば、偽物だった。 それくらい恋愛には無頓着で、どこか冷めている自分がいた。 だけど葉瑠と出会って、それは全部覆された。 葉瑠と付き合って、俺自身、自分の変化に驚いていた。 健たちの前でわざと葉瑠に抱きついて見せ付けたり、時間があれば葉瑠に何度も会いに行った。 好きだと数え切れないほど伝えたし、葉瑠だけにはとびっきり甘く、優しくした。 時間や場所も気にせず、いつでも直球な俺に彼女はいつも戸惑っていたけれど、それでも彼女なりに精一杯応えてくれた。
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