真夜中のエーデルワイスで

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真夜中のエーデルワイスで

数ヶ月前、両親を早くに亡くしたおれを育ててくれた祖父が亡くなった。 祖父は、おれにいくつかの“物”を与えてくれた。 贅沢をし過ぎなければ数十年は何もしないで暮らせるであろう貯金と遺産 祖父が生前に書き示した、“いきなり現れるであろう身内内で、もめごとにならないように”と事細やかな記載がされた相続に関しての書類 一流パティシエとしての腕と知識 それに見合う紅茶コーヒー…喫茶物を見極める舌 趣味だったアンティークの家具や小物 それを惜しげもなく使用した小さな純喫茶 そして 一つの“特異なこと” いらっしゃいませ。お客様。 ええ 大丈夫ですよ。お好きな席へどうぞ
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