あの夏の光と風

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翌日、理美は迷いながら鵠沼海岸を訪ねた。 湘南は自宅と同じ神奈川県と言えど彼女の 行動範囲ではなかった。彼女は大学に近い 東京方面へ出掛けるほうが多かったのだ。 「こんにちは。」 「よく来たな。」 賢一は理美に気がつくとキーホルダーを 投げてよこした。 「着替えて来いよ。」 キーホルダーには夏の間だけ借りている アパートの鍵と住所を書いたタグが ぶら下がっていた。 「場所わかるか。」 「自信ありませんけれど…、とりあえず 行ってみます。」
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