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「駅の手前の踏切を渡って、その先のT字
路を右に曲がって、突き当りを左に行った
ところだ。わからなかったら戻って来い。」
渡されたキーホルダーのタグと電柱の
広告に表された住所表示と賢一の言葉を
頼りに、車が頻繁に行き交う細い道を
理美は歩いた。真夏の太陽に照りつけ
られて暑かった。着ていたTシャツが汗に
濡れた頃、彼女は目指すアパートに辿り
着いた。
タグに書かれた101号室のドアに鍵を差し
込むとロックが解けた。
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