カブリオールレッグ

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一晩入院した友人の見舞いに来た彼。 「よぅ、体調はどうだい?」 「なあ何で俺は入院してるんだ?」 白い病室の壁とは対照的な血色の良い顔でベッドに座っている友人。 「俺の家で飲んでたのは覚えてるか?」 「ああ何となく」 「寝室へ行ったのは?」 「そのあたりから記憶が無いんだ……」 「……そうか。最近、なにかネズミに恨まれるようなことしたか?」 「なんだよいきなり、そんな……ネズミ?」 顎に手を添え考え込む友人。 「あれはネズミだったのかな……、会社の倉庫を掃除していたら生き物の死体を発見してな、ゴミ箱にそのまま放り込んだんだ」 「そうか、退院したら一緒にお参りに行こうや」と、友人へ告げた。 彼はその日のうちに退院した友人と近くの神社へ行きネズミが成仏しますようにとお祈りしたのだった。
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