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その頃冥界では、閻魔大王の補佐官が血相を変えて走り回っていた。
「大王様は見つかったか?」
「まだです」
「補佐官!
裁きを受ける者達の数がドンドン増えています。
彼らをどうしましょうか?」
「送り返せ!」
「え!?
良いのですか?」
「仕方が無いだろう、閻魔大王様がいないのだから」
「わ、分かりました」
補佐官は溜め息をつき、閻魔大王様が職場放棄をする際残していった、置き手紙をもう一度読む。
「仕事を初めてから一度も休みを貰えないブラックな職場で働いている儂には、ブラック企業の元社長等を、私情を挟まずに裁くことは出来ない。
彼等を公平に裁く為、儂は1度休暇を取らせてもらう。
後の事は補佐官に一任する」
置き手紙を読んだ補佐官は、閻魔大王様が立ち寄りそうな所をもう一度頭に浮かべるのだった。
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