223人が本棚に入れています
本棚に追加
・
使用人になってから泣き暮れる愛美を心配して始めたこの風呂上がりのティータイム。
寝る前に軽くお腹を温めるお茶を飲んで愛美はホッと息を吐いていた。
「おいしい?……」
「んー……優しい味…」
尋ねたセナにマナミはトロンとした表情を返して舌っ足らずに喋る。
時おりカクッと首を落とす様に項垂れてはへへっと頭を掻きながら顔上げていた。
「もしかして眠い?」
セナは恐る恐る覗き込む。
愛美はその問い掛けにうん、と首を振ったまま動かなくなった。
「………」
眠ったのだろうか…
俯いたままの姿をセナは近くに来てじっくりと観察する。
ただの淫剤としては効き目が早すぎる気がする──
もしかして…
セナは自分の唇に手を当てて怪しんでいた。
大人しくなった愛美を見つめるセナの後ろでカタンと音がなった。
「効いたか──…」
「………」
時間を計ってたのかタイミング良く現れた主人にセナは自分が居た場所を譲る。
ザイードは愛美の顔を間近で覗き込んだ。
まるで安眠。
気持ち良く目を閉じている愛美をザイードは抱き抱えた──。
最初のコメントを投稿しよう!