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「分かってる。……冗談よ、間に受けないの」
声のトーンを変えずに微笑んでもう一度直輝の隣に立った。
「雅、オレは」
「もうすぐマッドーラさんから指令が来るはずだわ。拓人くんと波奈にも知らせるんでしょう。
余計なことは考えないの」
棘のある声で切り離す。これ以上、何も言わせたくない。
余計なことを考えさせたのはお前だろ、そう思ったがため息を吐くだけに留める。
いつものことだ、慣れている。
直輝は笑ってもう一口ポップコーンを一粒手にして上に投げながら食べ始めた。
”オレの姿に見惚れたとか?”
じゃあ……そんな冷やかしなんて……言わないで……
いつから見てると思ってるの?
喉元までその言葉が出ていたが、雅はぐっと押し込んだ。
全てが終わるまでは、まだこのままで……
もしかしたら、この二人は波奈と拓人以上に進んでいないのかもしれない。
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