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百三十四号線に乗り理美が藤沢の賢一の
家に着いたのは午後四時を過ぎてから
だった。
理美はこの家の鍵を持たない。インター
ホンを押して中から開錠されるのを待つ。
賢一がいなければ理美がここに来ることは
なく、鍵は必要ではなかった。
賢一は今日もインディゴブルーのデニム
パンツに白いシャツを合わせていた。彼は
リビングのソファに腰を下ろすと小さく
溜息をついた。
「どうしたの? 急に。」
理美は彼の向かいに座って尋ねた。
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