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「寝るならちゃんとベッドで寝て。」
「ああ。」
そう言いながら賢一は目を閉じた。すぐに
規則正しい寝息が聞こえてきた。
理美は賢一のどこか少年の面影を残した
ような寝顔をしばらく眺めていた。昔と
あまり変わっていない。懐かしさと
切なさが交錯する。
再会しなければ賢一は思い出として自分の
胸に仕舞っておけたのかもしれない。だが、
理美は会ってしまった。ずっと彼を需めて
いたことにも気づいてしまった。
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