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賢一はリビングの床に無造作にスーツ
ケースを置いてソファに座り込んだ。
ジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを緩め、
シャツのボタンを二つはずす。そして、
背もたれに身体を預けてため息をついた。
「お疲れさま。」
「ああ、本当に疲れた。直行便は面倒な
乗り換えがない代わりに身動きが
取れない。旅客というより貨物だな、
あれは。」
理美は冷蔵庫からミネラルウォーターを
持って来てテーブルに置いた。
「しばらくは充電期間?」
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