小さな依頼主

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景頼は自身の懐をまさぐり、颯真から手渡された深緑色の包みを男に差し出した。 「ヘイッ!確かに投也様のでありますね、有難てぇ、有難てぇ。」 男は手渡された包みを表裏としっかり見て、まるで御仏の御守りのように大事そうに両手で包み拝むように礼を口にした。 そして男はゆっくりと顔をあげ、傍らの馬を愛しそうに撫で、景頼に 「ちょっと細っこいですが、ウチで一番の駿馬でさぁ!連れて行ってやってくだせぇ」
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