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「もう!あたしじゃなくて見てよ かすみちゃんを~。今日一段と可愛いでしょ?」
と 私の後ろへたち肩に手をおいて ぐっと前に押し出される
ちょ、近いよ・・
みさきさんの言葉に 吉川さんは私を不思議そうに見る
ドキドキして目をそらしてしまった
「なんか、変わったっけ?」
「うわー!見る目ないねー吉川さん!可哀想~!」
「そう言われても・・」
「奥さんからもだいぶ怒られてきたでしょう~!髪型変えても気づかないとか」
「あ~だったかも」
二人の会話に挟まれ 微妙な気持ちで居座る
『奥さん』
その三文字が心に引っ掛かり 現実に戻された
貴方には この人がいたんだ・・
無駄に落ち込んで 下を向いた
「ほらー!!吉川さんのせいだ!乙女が可哀想!!」
怒った声で吉川さんを怒るみさきさん
その言葉が嬉しいのかなんなのかわからなかった
ただ 貴方は奥さん以外興味ないんだろうって思った
「みさきさん!ちょっときてー」
「あ、はーい!ごめんね、かすみちゃん。吉川さんバカだから気にしないでね」
そう耳打ちして 呼ばれた方向へ去って行った
ホント バカだよ・・・
「仙崎」
バカで最低で・・
「おいしい物食わせてあげるから」
ズルくて
「顔あげろよ」
優しい・・・
おバカさんだよ
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