忌憚短篇集1

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俺は一つの群れの中で生まれた。 今となっては家族でさえも平気で憎しみあい、殺しあう種族だ。 何故このような事になったのかは理由がある。 俺の棲む星、この種族は神界の影響を強くうける。 神界の統治者となる神が変われば影響を強くうけるこの星の心も全てその神の性質に変わっていく。 今度の統治者である神は淡泊で情愛に欠けている男神なのだろう。 この星の種族から情愛が次第に薄れていった。 菜食主義から食肉を好むようになり、全てにおいて攻撃的になった。 そしてその変化に気づくことの出来る神を感じ取る巫女達は真実の言葉を発する事も伝えることも出来ない枷をつけられ…。 真実は闇に葬り去られた。 でも俺は知っている。 生まれた時から…。 この世の醜さも、その理由も。 それに支配され染まっていく周りの者達も、俺には全てが敵に思えた。
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