1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「ええぃ、埒があかんニャー。」
いきなり、凄くドスの効いたダミ声が大きく響いた。
そして丸々と肥えた巨体をしたどら猫が立ち上がり、周りを見渡しながら喋り出す。
「このまま議論しても終わらない、立候補を募るのニャー。」
「立候補?」
「そうだニャー、こういう時はリーダーシップのある奴がやった方が話は進む。」
ご尤もな意見であると思う。
だがしかし、ーー
「それこそ無理でわニャーか?」
「ニャんだと!?」
「俺達は気まぐれな性格なんだぜ。自由気ままに生きているのに、自分からリーダーをしようとするなんて奴はいないよ。」
「そうだな、そういうのは群れをなしている犬やネズミがやることだろう。」
確かに。
しかし、それでもどら猫は不服とばかりに、
「猫科の動物だって、ライオンとかは群れで暮らしているでわニャーか!」
と言った。
それでも周りの猫達も、
「しかし、俺らはそういった暮らしをしてニャいだろう。」
と言う。
それを聞いたどら猫は、わなわなと震えだした。
そうとう怒っているな。
「それにさー、ぶっちゃけて言うと面倒くさいニャー。」
「そうそう。」
うわー、言っちゃったよ。
最初のコメントを投稿しよう!