猫集会

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 すると一匹の猫が本題を切り出した。  「だがしかし、次は誰が王さまをやるんだニャー?」  それを皮切りに他の猫達も喋り出す。  「ニャはり、ここは年功序列でいくべきでは?」  「じゃあ、あの百万回生きていた奴か?」  「あいつは随分前、泣きながら亡くなったニャー。」  「じゃ、とある作家の家に住んでる名前がないって言っている猫か?」  「あいつはもっと前に、酒に酔って溺死しただニャーか。」  猫達はどんどんと候補となる猫を挙げていく。  でも、何だか知っているのが挙がっているような。  「他に意見のニャる奴は?」  「じゃあ、長靴よ。アンタはどう思うニャー?」  「僕のご主人様は公爵です。彼に頼んでは?」  「人間じゃニャーか。」  「チェシャ猫、お前は?」  「おいらにはー、関係ないねー。」  「トム、君は?」  「俺はネズミを追っかけるのに忙しいんだ!」  「じゃあ、なぜ来たニャー。」  さらにすごい有名な奴等がいるんだが!?  と、その時に最初に見かけた白い猫が、  「たく、まともな候補がないニャー。」  とため息を吐きながらぼやいた。  「なら、お前はどんな猫がいいんだニャー?」  「え、そうだニャー?」   と、そいつは前足を組んで考えると、  「まず、足には泥がなく綺麗で。」  「うん、うん。」  「体にクリームを塗り込んでいて。」  「それで?」  「最後に塩を沢山、揉み込んでください。」  「注文の多いやつだニャー、相変わらず。」  あれ、お前だったのか!?
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