我慢

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「あれ、……陽菜?」 そんなときに後ろから名前を呼ばれてその声へと視線を移す。 「あ」 陵だ──。 「……泣いてんの?」 陵は心配そうに眉を下げながら少しずつ距離を詰めてくる。 「……、ごめん、俊ちゃん。あとで掛け直すね」 “おいっ” 俊ちゃんの呼ぶ声が聞こえたけれど、とりあえず今は陵と話したくてそのまま電話を切った。 そしてそのまま陵の方へと視線を向ける。
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