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「私もこういう職業柄、知人もこれで
亡くしてしまったよ」
「え!昌弘叔父さんだけではないの?」
美智子の問いに、達三が大きく頷く。
叔父の次は必ず家族の誰か、
怪談家族は狙われている。
そう里美が思いながらスマホに手を
伸ばしたところ。
「大変父さん!隆のメールにも
魔界のメールが・・・」
「なんだって!!」
彼が、里美のスマホを確認すると。
「隆が危ない!すぐ帰るぞ!!」
緊急事態に、里美が大きく頷いた。
「母さん、飛行機の切符の手配を頼む」
「はい!」
「待って!飛行機は危ないわ」
美智子が携帯を開いたところ、
里美が制止した。
彼女の目の前に未来の映像が見えて、
魔物達が大勢飛行機にしがみ付いている
姿が脳裏に飛び込んで来たのだ。
絶対的な里美の能力を信頼している
達三が。
「東北新幹線だ、母さん頼む!」
素早く携帯から、彼女がチケット情報を
引き出した。
里美や達三にも、魔物達による
嘲笑が垣間見えたのだった。
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