第二章 東北新幹線脱線転覆事故

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里美と達三親子は、バスで新青森駅に出て 新青森駅から最終の東北新幹線で、 帰郷を急いでいた。 闇の中を突っ走る高速列車、 車内にて親子3人がグリーン車の座席に 鎮座している。 「さっき、隆からメールがきて これから清明神社に行くって!」 「馬鹿な!とても危険だと言うのに」 里美の言葉に、父が吐き捨てた。 「呪い返しが成功したとしても、 結果的に呪いが自分に返ってきて しまうんだ」 「どうすれば・・・」 里美が、空を見つめ。 「これから清明神社に行って、 なんとしてでも辞めさせるんだ」 達三の言葉に、里美が大きく頷く。 「あれ!何故ここに?」 里美が声を上げ、前方を見つめているので 全員前を見ると、黒猫がこちらへ ゆっくりと歩いて来る。 3人共キョトンとしながら、黒猫が通り 過ぎるのを眺める。 新幹線は、ペット禁止だ。 「誰が持ち込んだのかしら?」 母の美智子も、目を丸くしている。 すると、鋭い眼で虚空を見詰める里美。 「どうしたんだ里美!」 達三が、視線を投げ掛けたところ。 「大変!列車が衝突する!!」 叫ぶ里美、その瞬間ガクッと減速した。 どうやら、急ブレーキのようだ。 (キーキー!) 車内にも、轟音が轟き。 (ガガガガー!ガッチャン!!) 「キャー!」 何処からともなく、悲鳴が聞こえてきた。 何が起きたのか分からない、 停まったと思った瞬間に車内が 真っ暗になってしまった。 そして、自動的に非常灯が点灯。
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