episode.5

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「響、体調でも悪いの?」 「え?そんな事ないけど…」 「あら、そう。浩太郎くん達と話してきたら?」 「…あ、うん…」 私はよっぽど暗い顔をしていたんだろう。 お母さんが怪訝そうな顔で私を見るから、無理に笑顔を作って見せた。 ふと、昔を思い出す。 子供の頃、お正月は必ずどちらかの家で集まって宴会をして、私達子供は遅くまで遊んでいたな、と。 今となっては懐かしい。 私達もすっかり大人になってしまった。 もう少ししたら帰ろうと思った。 私がいるから浩太郎は機嫌が悪いんだと思ったからだ。 「…ここ、座ってもいい?」 「ん」 返事をくれた浩太郎とは目は合わなかった。 こんなに近くにいるのにものすごく距離を感じる。 小春ちゃんと浩太郎が話しているのをぼんやり聞きながら、時折窓の外を眺めた。 「先越されたねぇ、健太郎に。ねぇ、響ちゃんは?彼氏とかいるの?」 かなり不意を突かれた質問だった。 視線を窓から移すと、一瞬浩太郎と視線が絡まった。
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