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「もうすぐ引越しちゃうけど、ここが僕の部屋」
「お邪魔します」
「まだ荷物まとめきれてなくてさ…ごめんね、足元気を付けて」
段ボールをどけて渡辺さんが小さく笑った。
黒い家具で統一されたリビングは大人の雰囲気が漂っていて、渡辺さんの雰囲気と似ている気がした。
「わぁ…素敵な部屋ですね」
「そう？」
「シンプルで好きです、こういう感じ」
「ははは…ありがと。今度引越しする部屋はもう少し広いから、良かったら遊びにおいで」
「はい！」
「ちょっと座って待ってて、着替えてくる」
大人しくソファーに腰を下ろして部屋を見渡す。
カーテンの開いた大きな窓から夜景が見えて、私は窓際に足を運んだ。
私の部屋よりも眺めがいい。
東京の夜景はあまり好きじゃないはずなのに、なんだか今日は少しだけ輝いて見える。
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