序章

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4月だというのに、その日は30度を超えていた。 東京郊外のJRの駅のプラットフォームに、 その青年は立っていた。 改札口に向けて、ゆっくりと階段を降りていく。 この暑さにもかかわらず、 上下黒いレザーのジャケットと パンツを身につけている。 そのジャケットには無数の鋲が打ち込まれており、 彼が一歩踏み出すごとに、 一つ一つが銀色に輝く。 髪は肩にかかるほどの黒い長髪で、 軽くウェーブがかかっている。 細い身体に小さな顔。 そのルックスは女性と見間違えるほど、中性的だ。 彼は駅の外に出た。 容赦ない太陽の光は路面を照り返し、 彼自身を陽炎のように 揺らめかせた・・・。 BAZUBI BAZABU LAD LEKH・・・・・・
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