平安異譚  激闘 扇川原の巻 序章

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時は 平安 京に都があった頃 正親門の怪事件を解決した 源 雷禅たちは 邸にて 久々の 休息を 家族同様の ものたちと 過ごしておりました。 「御大将!正親門の古狸が、言っていた、オウギテイなるものの情報、何も入りませぬなあ 」 「あの狸の坊さん言ってたのだね。おいら、ひとっ走り、正親門の先 見てこようか」 「おいおい、弓月に力童よ、たまには、もののけのこと忘れて、休め休め」 「そうですよ。検非偉使からも何も言ってきてないんですから」と 鈴を転がすような 綺麗な声 奥より美鈴御前 登場 「美鈴姉さん言うなら、おいら、羽のばすかな」 「ったく、力童は美鈴の言うことは、きくのだからな。かんらかんら!」 和やかな 午後のひとときを 過ごす一同。 しかし その時は まだ オウギテイが その夜から 暗躍始めるとは 誰も 思っていませんでした。 美鈴御前 懐より 名笛 白雲を 取り出して 名曲 篝火を奏でだした時。 一同の前に。 霞のような 白いものが ゆらゆらと 現れて その真ん中には 瑞江三位らしき姿が。 「父上」「義父殿」「三位さま」 美鈴 雷禅 弓月丸 三人とも そう見えたため みな 顔を見合わせ 三位を知らない 力童丸 「えっ!あのおっちゃんが、美鈴姉さんの父上?」 いったい どうしたのでしょうか? 瑞江三位は 願の森にて魂のみ 神と同化しているはずなのだが? 雷禅「美鈴よ、何やら、義父殿が我らを呼んでいるようじゃの」 「はい、白雲を奏でた途端でしたからね」 「ならば今宵、願の森へ行ってみようかのぉ」 瑞江三位 何を伝えたくて 現れたのでしょうか?
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