平安異譚  激闘 扇川原の巻 序章

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雷禅たちは、宵が過ぎた時分 都の外れにある 願の森へ出立しました。 力童丸 大好きな 美鈴御前と出かけられるとあり はしゃいでいますね。 一方   都の所どころにて  異変が起きています。 検非緯使の長宅にて 内裏に出現した 黒い流動体が 門番を襲撃。 はたまた同じ時刻に 陰陽寮の頭住む邸宅にも 黒い流動体は、出現していました。 そんなこととは、露知らず 雷禅たちは、願の森までやって参りました。 美鈴御前 懐より 名笛 白雲を とりいだし  名曲 小波 を奏で始め。。。。 ぴー~~ひょろ~~♪  涼しげな音色に 雷禅 弓月丸 力童丸     聴きいっていると 森の奥より  真っ白な光の球体が現れ。。。。 その光球から 一筋の流れが 美鈴御前の前へ すーーーーーっと  流れてきて 尚も 吹きつづける美鈴御前の頭の上へ 現れました。 透明に輝く なにやら人の形をしたものが  少しずつ 色濃くなってきて 懐かしき 瑞江三位の姿に。。。。 三位の懐かしい声が「美鈴よ。よくぞきてくれたの」 「父上、お久しゅうございます」 「それに婿どのも。。。」 「三位どの なにやら、我らに話があるのでは?」 「そうじゃった。雷禅どの、お主も鬼やらもののけに、余程好かれるようじゃのお」 「いえいえ、この地の女の神(めのかみ)様へ、婿入りするほどではありませぬが」 「ほほっ!手厳しいのお。さて、正親門の事件の時。かの古狸が言っておったじゃろ」 「オウギテイですかな」 「そもそも。その名をこちらで言うのも。憚られるのじゃが。。。。 我が女の神様の世の頃よりの~」
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