2人が本棚に入れています
本棚に追加
「こゆき、桜を見に行かないか?」
穏やかに響くその声で、わたしはゆっくり目を覚ました。
目線をを上げると、枕元に晃太郎が居た。
……桜?
夢現に聞こえた彼の言葉を思い返していると、
「今日は調子どうだ?」
と尋ねられた。
うん、それなら今日はだいぶいい。
最近暖かくなってきたから、過ごしやすかった。
でも体調の事は、できれば桜の話の前に聞いてほしい。
少しだけ抜けた晃太郎がおかしくて、わたしは目を細めた。
「今日は絶好の桜日和なんだ。行こう、こゆき。」
晃太郎が私の頬を撫でる。
その誘いに、わたしは一つ返事をした。
最初のコメントを投稿しよう!