桜日和

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「こゆき、桜を見に行かないか?」 穏やかに響くその声で、わたしはゆっくり目を覚ました。 目線をを上げると、枕元に晃太郎が居た。 ……桜? 夢現に聞こえた彼の言葉を思い返していると、 「今日は調子どうだ?」 と尋ねられた。 うん、それなら今日はだいぶいい。 最近暖かくなってきたから、過ごしやすかった。 でも体調の事は、できれば桜の話の前に聞いてほしい。 少しだけ抜けた晃太郎がおかしくて、わたしは目を細めた。 「今日は絶好の桜日和なんだ。行こう、こゆき。」 晃太郎が私の頬を撫でる。 その誘いに、わたしは一つ返事をした。
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