ある島の主

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その島をはじめておとずれたのは秋だったきがする。 透き通った青空に観光客。 観光案内の、したになんともブスッとした顔のネコがいるのである。 人を観察しているのかそこに座ったまま動かない。 ジーと見ているので、なでてほしいのかとそばに行くとプイッと顔をそらした。 なでても逃げはしないが相変わらずブスッとした顔である。 2回目に訪れると少し長い毛をもった黒としろのネコがニャーンと鳴きながら近づいてきた。 野良の激しい競争にまけたのか耳の毛がはげていた。 ニャーンニャーン、とよってくる。 ふと案内板を見るといたブスッとした顔であいかわらず。 別になつくわけでもないその姿はなぜか印象ぶかかった。
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