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今となっては、おばあちゃんがどうやってたまえさんと連絡を取ったのか知るよしもないけれど、きっと遺言は叶えられたのだろうと思っている。
猫たちの墓標はおばあちゃんとたまえさんにだけわかる目印だった。
実の孫へ未来の糧を渡すための。
それは、自分のために不幸な半生を歩ませてしまった娘へせめてもの償い。
「たまえさ~ん!どこにいるの~?戻っていらっしゃ~い!」
あの言葉は、猫たちを通して、おばあちゃんの切なる願いが籠った叫びだったに違いない。
了
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