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何も無い場所に、それは行き成り現れた。
唐突に、そして突然に。
それは石壁に覆われた石櫃の様な部屋であった。
その室の大きさは6畳程度であり決して広いとは言えぬ。
そんな室内へと誂えられた家具が数点ほど。
木箱へ何やら詰め込み麻布にて覆ったベッドらしき代物。
それは成人男性が横たわれば身動き出来ぬ程度の大きさしか無い代物である。
一応は掛け布団代わりの麻布がベッドに掛けられてはいるが…あれでは用を成すのか怪しいものだろう。
麻布にて何かを包んだ大きめの枕がヤケに目立つとも言えよう。
部屋隅へ木のテーブルと椅子が備え付けられている。
引き出しも無い天板に足が4本付いた粗末な机と背凭れも無い天板4つ足の椅子。
取り敢えず、座って作業が行える…その程度の代物と言って良かろう。
そして部屋の中央には卓袱台程度の木のテーブルが…
此方も天板に短めの足が付いたテーブルであり、寛ぎに使用するには…
そんな室内なのだが、なんと光源は卓袱台上の蝋燭1つのみだったりする。
故に、非常に薄暗い環境だったりするのだが…それ以上に問題なのは窓どころか扉も存在しないと言う事だろうか。
この様な場所へと閉じ込められでもしたら、次期に酸欠に陥り身罷る事となるのは必至と言える。
存在する家具は以上…いや、もう1つ存在した様だ。
蝋燭の置かれた卓袱台に羊皮紙が1枚ほど置かれており、読み手を待っている。
そんな空間にてベッド付近が一瞬輝きを見せる事に。
誰も居ない空間にて唐突に発光した輝きを見る者はおらず…そしてベッドには変化は無い様に見受けられた。
一体…何であったのか?それを知る者は此処には居らず、気にする者さえ存在しなかった。
だが、そんな空間へと再び変化が訪れる事と。
部屋中央部の卓袱台が置かれた場所の上方、そう…何も無い空間が突如輝いたのである。
強烈な光を放った後で輝きは部屋の中心へと集まり…それが収束した時、そこには…天使が、居た。
そう、その姿は、雅に天使…いや、エンジェルっと言うかキューピットである。
いや、まぁ…弓は持って無いのだが…その幼子が一枚布を纏った姿にて金髪癖毛の上には輪っかが。
背には可愛い1対2枚の翼が背から生えてパタパタと。
う~ん…エンジェ~ルぅ。
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