迷い猫が最後に伝えたかったこと

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そのプランターは机の上にある 現在は、何も入っていない 「それ、大事なんだけどな」 そのプランターは 私が人からもらい とても大事にしているものだった 「にゃー」 「まぁ、乗ったところで 壊れはしないからいいんだけどさ…」 ミルクは浮いているし そもそも幽霊で、物は透けてしまうはずだし 乗って壊れることはないはずだ 私は鞄を床におき ミルクの前の椅子に座る 「ねぇ君はご主人に何を伝えに来たの?」 「にゃー」 相変わらずの返事である 隣の人に聞きたいけど 面識がほぼないし いきなり 猫飼ってましたか? ミルクって名前で、 うちに霊で現れてますよなんて言ったら 不審者もいいところである
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