迷い猫が最後に伝えたかったこと

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次の日 ミルクは、朝また にゃーにゃー鳴いて私を起こす 「ん…?」 寝て机の上を見ると プランターの上にミルクは 乗っていなかった 「どこ……」 探すと本棚の横でミルクは鳴いていた 本棚の側をいったりきたりしている 「何だろ、どの本かな…?」 本棚と呼ばれるそれは 3段のカラーボックスを 2つ縦に並べているものだ 本棚には、ファッション雑誌 仕事のファイリングしたものとアルバム 文庫本とちいさなぬいぐるみが 幾つか置いてある 「どれのこと……?」 悩んでいると 携帯が鳴った 「ごめん、後で探すね」 にゃーにゃー言う ミルクを置いとくことにして 私は電話に出た 「あー雛!」 友達の夏希だ。 彼女は幼稚園からの付き合いである なんとも情けない声で電話してきた 「何?どうしたの?」 「卒業アルバム貸してー」 唐突で、意味が分からなかった
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