迷い猫が最後に伝えたかったこと

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この子、なんていう名前だったかな 私は、この子との 会話を覚えている "ひなちゃんにこれ、あげる" "…あ、お花入れる…花瓶って言うんだっけ?" "プランターだよ ひなちゃん、おはな好きだから おはなの好きなひなちゃんに あげようと思って持ってきたの" それを見てかなり驚いたけど わざわざ持ってきてくれたのが嬉しかった "ありがとう… でも、もらうだけじゃ嫌だから交換しよう?" "交換…?" 私は、幼稚園の鞄についていた くまの形のキーホルダーを外して その子に渡した "私の、この くまのキーホルダーと交換しよう" "いいの?" "うん" "やった、交換しよう" "うん" 小さい頃の記憶 好きな人の思い出 「衝撃だったんだよね。プランター 先生にも持ってきてたの、怒られてたけど 嬉しかったな 今、考えると凄い物々交換だけど」 ぼーっと考える 「思い出にできずに、ひきずってるけどね」 彼はいつも優しかったから 名前、わかるだろうか 私は、ページをめくる クラスのみんなが一人一人写っている ページから彼の写真を見つけ 名前を確認した "實寶大翔" じっぽう そら
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