迷い猫が最後に伝えたかったこと

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「え……?」 「ミルクは、俺の猫ですよ 首輪に名札ついてたから ミルクの名前知ってるんですか?」 「え?……はい」 「ミルクはベランダが好きで あの非常扉の下に 隙間があるんですが… ベランダから隣をよく見ていて… ミルクは、賢い猫だったから 何かをみているだけで きっとそっちに行かないと 思ってたんですけど お邪魔していましたか?すみません」 その時、分かった ミルクは、 その時に知ったんじゃないだろうか 私のあのプランターは 最近まで花が咲いていて 少し前までは 陽に当たる場所に置いていた ベランダからあの、プランターを見て 彼と過ごしていた時間の中で ミルクは、偶然にも 分かったんじゃないだろうか だとしたら 「じっぽうさん」 「……はい」 「實寶さんは、持っていますか くまの形のキーホルダー 多分、あなたが年長ぐらいの時に 同じクラスの子にもらった…」 「え?……持ってます。 けど、何で知ってるんですか?」 不思議そうに聞く彼に 私は、はっきり言った 「あれ、交換したの私だからです」
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