迷い猫が最後に伝えたかったこと

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ますます、意味が分からない 訳が分からずただ、 猫の小刻みなジャンプを見ていると ミルクの名札がひっくり返った 「え…?」 裏にも文字が書いてある ぼんやり見える "實寶" 「………?」 私は考え込む。なんとか 見えるけど読めない。 ……じっとみていると やがて、ぼんやりとしている箇所も はっきりと見えるようになった "實寶大翔" 名前…のようだ。 何と読むのだろう 見るとその下に電話番号も乗っている でも、電話番号よりも 名前をじっと見ていた 私は、この名前を 知っているような気がした と、いうより昨日見た気がした 「にゃー」 ミルクは弱々しく鳴く 「なんだっけな……」 考えて、考えて 私の頭にスーツを来た男性が過ると 思いだした 「じっぽう…そうだ! これ、じっぽうって読むんだ」 昨日のことが過る アパートの ポストの郵便物をのぞいたときだ 「あ、すみません」 スーツを来た、 落ち着いたブラウンの髪色の 男性が私の隣の 實寶大翔と書かれたポストを開けていた 昨日はその時 このアパートの管理人さんが ホールの掃除をしながら 私にお帰りなさいと声をかけたあと 彼にもこう声をかけていた 「お帰りなさい めずらしい名字のじっぽうさん」 「あ、ちょっとやめてくださいよ」 少しはずかしそうに それでも落ち着いた口調で 彼は管理人さんにそう言った 「引っ越してから一ヶ月たったけど 困ったことない?」 「はい」 その後、二人で話していた光景を思い出す 管理人さんは、 その人のことを確かに じっぽうさんと呼んでいた 「これ、隣の人の名前だ…」 「にゃー」 ミルクは、また少し笑って鳴いた
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