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ドアの向こう側で執拗に引き止める美桜を無視して、タクシーに乗り込んだ。
彼女のマンションに着くと、切羽詰まるようにインターホンを押した。
だけど、応答はない。
…葉瑠?
一体、彼女はどうしたんだろう。
彼女の行方がわからなくて、途端に不安が押し寄せてくる。
もう一度電話をかけようとしたその時、タイミング悪く着信を知らせる音が鳴り響いた。
『もしもし、怜斗?』
期待とは違う声の主に思わず肩を落とす。
「…敦かよ」
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