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「…疲れた」
夢とうつつの間をぼんやりとさ迷いながら、手の甲で瞼を隠す。
長らく見ていないせいか、今にも消えて無くなりそうな彼女の笑顔を思い浮かべる。
アメリカで一度電話してから、葉瑠とは音信不通のままだ。
「クソ…」
せっかく研究から解放されたというのに、今度は寝込むことになるなんて。
いざという時に使えない身体にうんざりする。
「会いてぇな…」
音のない寝室にそれはこぼれた。
───────葉瑠に逢いたい。
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