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この女の手で葉瑠は傷つけられたというのか?
全部美桜の謀略で…彼女が標的にされてしまったなんて…
「そんな理由?
怜には一生わからない。
誰からも愛されない私の気持ちなんて…。
あなたは私が婚約者と全てが上手くいっていると思っていただろうけど、そうじゃない。
あの男は私を道具としか思っていない。
父も、母も…。死んだ方がマシだと思うこともあったわ。
…だけどあなたに出会って……私にとって怜は…唯一の光だった」
美桜は惨酷なほどに続けた。
「親に敷かれたレールの上を歩く私の人生なんて終わったようなものよ。
だから最後に、怜に会って…もう一度あなたに会って、最後の自由な時間を過ごせたらって…。
最初はそんな気持ちだった。
でも…時を重ねるうちに、怜のことが憎くなった。
怜だけが幸せになるなんて…怜のことが許せないだなんて…!」
純粋な愛は歪み、憎しみへと変わる。
美桜の変貌。これが彼女の真実の姿だった。
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