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「ふざけるな…!
憎いのは俺だろ!?
なんで…なんで、葉瑠なんだよ…」
烈火のように噴き上がる怒りが心臓を唸る。
怒りで体が震えるとはこういうことなのかもしれない。
「そんなの決まってるじゃない。
彼女は怜にとってかけがえのない大切な人だからよ。
あの子を傷つけることが怜を苦しめることになるもの」
狂気に満ちた怒りは殺意に似た感情だった。
それほどまでに、葉瑠を非道なやり方で陥れたこの女が憎い。
「…でも、私はまだ何もしていないわ」
その言葉に、目を見張った。
悪魔だと思った。
この女は悪の塊でしかない。
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